夢の欠片、その在処は

舞鶴鎮守府で提督やってます

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破壊されたエヴァ

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」を見てきました。

まずは一言。
これだから俺はエヴァ(ヱヴァ)は卒業できないんだよ!(笑)

以下、ネタバレしまくりの感想です。

私は、今回某ブログの「ネタバレ」を見てから、映画館に足を運びました。
「破」は公開前、かなり厳重に情報統制をしていたようで、実際「サプライズ」要素の多い内容でした。しかもそれは、なまじ「新劇場版」以前の「新世紀エヴァンゲリオン(以下、旧世紀版)」をよく知る人間にほど衝撃が大きいものではないかと思います。
その衝撃をわざわざ事前にネタバレを見ることでカットしちゃうなんて、と首を傾げる方も多いでしょうが、ぶっちゃけると、

見られる回数が限られているのに、サプライズで打ちのめされているわけにはいかない。

何度も見返せる媒体ならば、第一回目は頭からっぽの状態で見るのもありなのですが。
それに、私は個人的に「ネタバレごときで面白さが半減してしまう作品なぞ、大した事ない」「事前にあらすじを知って興味がわく作品こそ良い」と思っているので、実際に映画館で事前ネタバレの「点」が本編の「線」で結ばれていく過程は、「初見サプライズ」とはまた違った心地よさがありました。
この「心地よさ」が味わえない作品は、所詮は一度開けたらそれまでのビックリ箱でしかないのです。

ちなみに、私は一日で3回見ました。これぞ、大馬鹿野郎のテーゼ(?)です。
(まぁそのために一回1000円になる7月1日まで待ったわけですが)


冒頭は、いきなり完全新規のシーン。
北極で封印されていた第三使徒(「序」で欠番扱いになっていたもの)が脱走し、それを新キャラ・真希波・マリ・イラストリアスが操るエヴァ仮設5号機が「処理」するというもの。
仮設5号機は登場早々に第三使徒もろとも自爆、蒸発する(マリは脱出)という凄まじい扱いでした。新キャラと新機体の登場はエクゼクティブプロデューサー大月氏のリクエスト(パンフレットより)ですが、呆気ないにもほどがあります。
この5号機は、「消えてもらわなくてはならない」機体だったようで、この戦闘自体がある種の「やらせ試合」。
その「やらせ試合」に一枚噛んだと思しき、新劇場版においては首席監察官のポジションになった加持さんもここで(新劇場版初)登場。
慌てふためくロシア支部の人達を尻目にさっさと脱出して、ゲンドウに謎のパーツ「ネブカドネザルの鍵」を横流し。旧世紀版ではアダムの再生された肉体だったのですが。

この時点で私は圧倒され気味(笑)

その後は、シンジがゲンドウと墓参りをしたり、アスカが来日してミサトのマンションに転がり込んだり、天空から落下してくる使徒をエヴァが掌で受け止めたり、4号機が消滅して3号機が起動試験込みで日本に押し付けられたり……と旧世紀版でもお馴染みのストーリーが続きました。
ただ、あらすじは一緒でも、かなりのアレンジがしてあるのは「序」と同じ、というかさらにその上を行っており、中には(劇場版はTVシリーズより必然的に尺が足りないのに)TVシリーズでは見られなかったことが補足されているケースもちらほらありました。

・墓参りその後
旧世紀版では、ゲンドウが去るのを見送ったシンジが歩き出すところで終わりましたが、新劇ではミサトが車で送るシーンが追加。
ミサトとの会話を見るに、「よくやったな、シンジ」イベントと順序を入れ替えたせいか、旧世紀版よりもシンジは父との墓参りにウジウジしていた様子。
もともと父子の墓参りは好きなシーンで旧世紀版を何度も見ていましたが、新劇は主にゲンドウ(立木さん)の声がここ十年で重みを増したなぁというのが第一印象。
ちなみにこの帰路途中で第七使徒が出現、来日したアスカの2号機が殲滅しています。

・レイとゲンドウの食事
学校を休み、何らかの(旧世紀版ではダミーシステム関連の)実験に従事したレイに、ゲンドウが「食事にしよう」と声を掛けるシーン。
これは旧世紀版TVシリーズにもあり、かつてはここで具体的に描かれなかった「食事」の内容を巡ってギャグパロディからいかがわしい(笑)ものまで様々な想像がなされていました。
新劇では二人の「食事」が実際に描かれました。10年越しで実際に見た感想を一言でいうと、「うわぁ…」と内心で苦笑してしまう感じ。
あのだだっ広い司令官室に長テーブルを置いて、その両端に座ったレイとゲンドウが向き合い、淡々とどころではないくらい殺風景な食事でした。隅っこに立っていた3人目の人影は、ボーイかはたまた冬月副司令なのか…(冬月なら一緒に食べていてもおかしくないので、やはり配膳係のボーイか?)
レイの食卓は案の定というかカプセルやらゼリーチューブばかりで、ゲンドウの方はフォークとナイフで食べていると思しき音から洋食っぽいです。監督は軍艦マニアらしいので、洋食フルコースを食べるのが伝統だった旧日本海軍聯合艦隊司令長官の食事風景をイメージしたのかも(まぁこちらは軍楽隊の演奏が付くらしいですが)
ここでレイは、今回の大きな転回点のひとつとなる、「食事会」の提案をします。

・食事会
新劇場版:破で、従来のエヴァと大きく様相を異にしたのが、綾波レイの変化。
かつて、(TV版6話の)笑顔を見せたところで綾波は終わってしまったようなことを監督が語ったそうですが、確かに旧世紀版では6話の後、アスカが現れてから16、17話の辺りまで、レイは空気のような扱いになったきらいがありました。それが「破」では、シンジとゲンドウの間を取り持ちたいと思ったレイは、自分の家で食事会を企画、関係者に手紙を配り、料理の練習に励みます。これは、映画前半でシンジに味噌汁を振舞われたことがきっかけになっています。
もともとの起点は「序」(そしてTVシリーズ5、6話)でのエピソードですが、「破」の水族館(新劇場版の世界では青い海がほぼなくなっているため、その再生を研究するプラント)に出かける新たなエピソードによって、かつてのエヴァと大きく分岐する構造のようです。
そして有名な「エレベーター内でアスカと二人になるシーン」で、アスカの平手打ちを手で受け止めたり、シンジのことをどう思っているのかと問われて、

「碇君と一緒にいると、ポカポカする。 私も、碇君に、ポカポカして欲しい。碇司令と仲良くなって、ポカポカして欲しいと、思う」

と、(古参の)エヴァファンを騒然とさせる発言をしました。
私も、綾波が(派生や二次創作ではない)本家作品でこんなことを言うようになるとは……と呆然。
しかし、レイのそんな行動を嘲笑うかのように、食事会の当日にエヴァ3号機の起動試験がブッキングされ、それでもアスカの機転でシンジとゲンドウの顔合わせだけは実現できるはずが、使徒に3号機を侵食された事件が起こってしまい、無常にもレイの努力は水泡と帰します。
3号機のトラブルが伝えられた時、レイの部屋に、幾つかの茶碗を伏せられたちゃぶ台と思しきものがあったのが、あまりにも物悲しかったです。

・3号機の到着
旧世紀版を見た当時、個人的に首を捻ったのが、エヴァ3号機の輸送シーン。
十字架に拘束された3号機を大型輸送機がぶらさげて運ぶ描写に、「いったいどうやって離発着するんだ?」とモヤモヤした覚えがあります。
今回は飛行シーン(旧世紀版ではここで雷雲に突入したのが使徒に侵食された原因とされる)がなかった代わりに、到着寸前のシーンがありました。
具体的に積んだり降ろしたりするカット自体はありませんでしたが、やや踏み込んだ描写かな、と思いました。

・シンジの反抗
ダミーシステムによる3号機殲滅に憤ったシンジが、初号機でゲンドウたちを恫喝するシーン。
旧世紀版ではケイジに収まったまま実力行使に出る前に排除されましたが、新劇ではケイジとネルフ本部の一部を破壊。
ピラミッド形のネルフ本部を初号機の足で踏み潰す様子が、旧劇場版「まごころを、君に」で砂場に作った「お城」を踏み潰す幼いシンジとダブって見えました。
「信じた僕がバカだった。父さんも大切な人を失えばいいんだ!」と感情をぶつけるシンジ。よく考えたら、シンジがここまで父親に当たり散らす場面は序盤のエヴァ初搭乗シーン「嫌だよ! 何を今さらなんだよ!」くらいしかなかったような。
この直後、やっぱり排除されてしまうシンジと初号機ですが、シンジの気絶で動きを止めた初号機がピラミッドから無様に転落していく様が描かれたのは、贅沢な劇場版ならではかも。逆にTVシリーズだったらわざわざこんなシーンを作らないだろうなぁと思いました。そもそも、本部の一部を破壊するという描写自体、そんなシーンを描く余裕はないからと旧世紀版ではカットされたのでしょうし。

・シンジの反抗、ゲンドウの言葉
気絶させられた後目覚めたシンジは、ゲンドウの前に引っ立てられます。
「僕はもう、エヴァには乗りたくありません」
というシンジに「では出て行け」「また逃げ出すのか」と言い放つゲンドウ。
新劇では新たに、
「自分の願望は、あらゆる犠牲を払い、自分の力で実現するものだ。人に与えられるものではない。シンジ、大人になれ」
というゲンドウの言葉がありました。
漫画版の墓参り場面で「自分の足で地に立って歩け」と言っていたのを彷彿とさせます。
シンジは、「僕には大人がわかりません」と、受け止めはしなかった様子。でも新劇場版が「碇父子の決着」を描くならば、後々このシーンを思い返すことになる気もします。


・挿入歌
マリが口ずさんだ「三百五十五歩のマーチ」は、つまりは「マリってどこかズレてる子なんだな」と思わせたら新キャラに四苦八苦した作り手の勝ち、という象徴的演出なのかなと思いました。
3号機殲滅シーンで使われた「今日の日はさようなら」は、個人的には旧世紀版の同シーンのBGMの方が良かったです。まぁ私がBGM「THE BEAST 2」とそのアップテンポ版「NORMAL BLOOD」が好きだから、なんですが。
初号機が覚醒、シンジがレイを使徒から引っ張り上げるシーンの「翼をください」は、やっぱり「甘き死よ、来たれ」的な位置付けなのかな、と思わずにはいられませんでした。サードインパクトで流れる、やけに明るい歌という意味で。「今日の~」共々、賛否が大きくわかれそうですが、少なくとも後者は鳥肌が立ってしまったというのが正直な感想。

・式波ルート
かつて、旧劇場版でシンジと凄まじい愛憎劇を繰り広げた惣流さんは、しかし、新劇場版では寝惚けたフリではなく合意の上でシンジの寝床に夜這いしたり、食事会を企画したレイに触発されてエプロンをまとい料理に挑戦してシンジの好みの味を模索したり、レイのシンジに対する感情を「それって、好きってことじゃん!」と断じたり、ミサトと「でも最近、他人といるのもいいんだって思うこともあったんだ」とくだけた口調で話したりする式波さんには面影くらいしか残っていませんでした。
こういうキャラになったのも「新劇は今風のエンターテイメント作品にする」一環なのかな、と思わないでもなく。
でも、そうだとわかっていても、「式波さん可愛い」と思ってしまった人も多いでしょうなぁ、私もその一人。
3号機パイロットに立候補したのは、表向きは「条約の都合で2号機が凍結されて、乗るエヴァがなくなったから」ですが、実はその「3号機起動試験がレイ企画の食事会とブッキングするから」だという「他人のため」……3号機事件であんな顛末になってしまいましたが、その一方でTV版終盤~旧劇場版の凄惨なルートとは別のルートを歩みつつあるという手ごたえも感じました。

・裏コード
3号機事件で一命を取り留めたものの使徒侵食による精神汚染が懸念されたために隔離されたアスカに代わる2号機パイロットとして着任、ではなく、第一〇の使徒襲来のドサクサに、パイロット空席になったままの2号機を凍結解除して勝手に搭乗したマリ。
(映画冒頭の5号機事件からして、マリは加持と通じている様子なので、ネルフの指揮系統を無視しての2号機凍結解除・出撃は、やはり加持が手引きしているのか?)
出撃した2号機は、第一〇の使徒と交戦するもまったく歯が立たず、奥の手としてマリは裏コード「ザ・ビースト」を発動、2号機の拘束具をパージして闘争能力を極限にまで高めた状態で突撃。
旧劇場版「Air」におけるエヴァシリーズとの死闘を……というのはやっぱりな感想として、2号機は新劇でも「最強の格闘戦シーン担当」の地位は不動だなぁと思いました。
TVCMでも使われているあのBGMはまさに鳥肌ものです。「序」のクライマックスで使用されたBGM「Angel of Doom」といい、旧世紀版アレンジベースの音楽の中で、新劇場版の音楽は確実に存在感を有しています。

・最強の使徒、そして初号機の覚醒
旧世紀版で「食べられる使徒」と散々ネタにされた怨念ゆえなのか、と随所で言われたように、第一〇の使徒(旧世紀版における第一四使徒ゼルエル)は、裏コードの2号機を撃退(!)した後、なんと零号機を捕食するという挙に出ます。
まさに「まさか、使徒がエヴァを捕食するなんて、ありえないわ」と愕然とするリツコが代弁してくれています。零号機の突撃シーンは旧世紀版からかなりアレンジされ、抱える爆弾が爆雷型からミサイル型になり、また(旧世紀版から堅さも描写も格段に強化された)使徒のATフィールドを突破する際に、ザ・ビースト状態の2号機が口で食い破ってアシスト、ミサイル炸裂寸前に零号機が2号機を突き飛ばすという流れに。
捕食の描写は……ある意味、かつての初号機や量産機による血みどろなそれとは好対照な、呆気なさすぎるほどあっさりしたもので、こういう怖さもあるんだな、と思いました。まるで噛み終わったガムのように零号機の頭部パーツをペッと吐き捨てるところなどは、もう「うわぁなんじゃこりゃあ」と。
しかし、「最強の使徒」の面目を施したかに見えた第一〇使徒のグレードアップを嘲笑うかのように、新劇場版の初号機の覚醒はそのはるか上を飛び越えていました。
初号機再起動のきっかけがシンジの「綾波を返せッ!」という台詞の時点で、その凄まじさは推して知るべし。
使徒のパーツなしに失われた左腕を顕現するわ(覚醒時のみ光り輝く形で現れていた)、眼から使徒みたいな光線を出すわ、あんなに堅固だったATフィールドをトイレットペーパーのように破砕する威力。
瞬く間に使徒を圧倒した初号機・シンジは、そのコアに掌を伸ばして、零号機ごと取り込まれたレイを引き戻そうとします。
それにしても、初号機以上に凄まじかったのがこの時のシンジ。
自らの意志でエヴァを暴走……否、覚醒させることは、リツコ曰く「人に戻れなくなる」ことのようで、それでも、

「僕がどうなったっていい、世界がどうなったっていい。だけど綾波だけは、 せめて綾波だけは、絶対助ける!」

状況が全く違うとはいえ、「Air/まごころを、君に」でどうしようもなくなっていたシンジが、あのシンジが……!!
そしてレイまであともう少しというところで、そのレイ自身から、
「いいの碇君。私が消えても代わりはいるもの
と伸ばされる手に背を向けられたところで、
違う! 綾波は綾波しかいない! だから今助ける!」
「綾波、手を! 来い!!」

と叫んでレイを思いっきり引っ張り上げるシーンで、私は「ヱヴァ新劇場版マジパネェ!!」、と完全にノックアウトされました。

そして、あべこべに使徒のコアが初号機に取り込まれ(捕食ではなく)、このままサードインパクト――。

エンディングを挟んで、いきなり、天空からエヴァ6号機(Mark.06)とカヲルが参上、覚醒した初号機を槍で貫き、沈黙に追い込んだところで怒涛の物語は幕切れを迎えます。

いや、本当に……凄まじかったです。
旧世紀版といちいち比較する形で書きましたが、個人的にはやはりTVシリーズ全26話+旧劇場版という過去があってこその、今回の新劇場版の大立ち回りだと思います。
男ならぬ漢を上げたシンジにしても、この「過去」があるからこそより感慨深いものかと思います。「なにもできずに寄り代にされたあのシンちゃんが……」と。

これだけ書き連ねても、新劇場版:破の面白さは三割も書けていない気がします。
とにかくそれだけすごかったということで!
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